肛門周囲膿瘍の排膿手術から、一ヶ月ほど経過していました。
この頃になると、患部の状態も安定してきて、もともと痛みは少なかったのですが、痛みもほとんどなくなり、また分泌液も出なくなってきていました。
この状態になって、ただ、ひとつ手術前と違うのは、肛門にイヤリングのようにゴムがついていることでした。
肛門から入り、途中から、肛門の横の部分に穴があり、そこからゴムが出てきています。
(シートン法のイメージ図に関してはこちらのサイトをご覧ください。⇒よく分かる大腸肛門科 痔ろうの手術(シートン法))
この時点では、ゴムは余裕がある状態でお尻にぶら下がっています。
また患部に関しては、肛門から陰嚢にかけての部分は、皮膚がデコボコになってはおりますが、固くはなく、柔らかい状態です。
ゴムがゆるんだ状態で、通してあるだけでは治療になりません。
このゴムを締める必要があります。
ゴムを締めるタイミングになってきたようです。
締めるのですから、全く痛くないわけではないはずです。
内痔核の根治手術から始まり、初めての経験だらけでしたが、今回はシートン法の初めてのゴム締め体験となります。
診察
いつものように、松島病院に通院して、いつものように診察室に入りました。
まずは問診で、ドクターには、「痛みはなく、分泌液はここ2~3日はほぼ無くなってきた」状態をお伝えしました。
そして、患部の状態の診察です。
肛門の表面と肛門に器具を入れて内部を診て頂きました。
「うん、だいぶ患部の状態もよいですし、キズもきれいになってきていますので、開放するためのゴム締めをします」
「それでは7番、8番の処置室の前でお待ち下さい」と一旦通常の診察室から出て、次は処置するための部屋へ行くように看護士さんから促されます。
ゴム締めも診察の流れでこのまま実施するのかと思っていたのですが、他の診察室とはドアの色が違い、処置するためにある部屋で行うようです。
処置
今まで、穴に通してあっただけのゴムを締めることになります。
処置室の前ではまず、血圧を測りました。
麻酔をしたり、切ったりなどではないけれども、処置する前にはまず血圧を測るのだなと、妙に感心していました。
そして処置室の前で待ち、しばらくしたところで、名前を呼ばれました。
処置室の中に入ります。
処置室は、内痔核手術、退院直後に便通が少ないということで、浣腸の処置をして頂いた部屋です。
台の上には銀のトレイにハサミがのせられています。
特に手術をするわけではないのに、緊張してしまいます。
部屋に入り、いつもの診察の姿勢と同じく、ベルトを外して横になり寝転んで、お尻を出します。
最初に小さな器具で内診をして頂き、
「ゴムを徐々に締める措置をします」
「少しゴムを引っ張りますので、痛かったら言ってください」と言われ、ゴムを引き、締めていきました。
少し、ちくっとした感覚はありましたが、それほど痛いということはありませんでした。
「それでは、さらに締めていきます」
引っ張り、ハサミで切っているのが、手の動きの様子や、音から分かります。
しかしながら、痛いという感覚は少ないです。
少しつねられているような感じだけです。
実際はつねっているわけではなく、ゴムを引いていてそれが肉に触れているのですが。
「これは痛いですか」とドクターから確認されて、「少し痛いです」と答えて、徐々にゴムを調整していきました。
何度か締めては、緩めて、緩めては締めての調整を繰り返して、処置は終わりました。
ゴム締めの時間は10分~15分ぐらいで終わりました。
ゴムを締めたからといって、あまり痛くはありません。
締めた感覚はありますが、ぎりぎりと締めつけているわけではなく、強くも、弱くもなく、ちょうど良い締め加減でした。
締める前と後では、大きな違いはない状態です。
このゴムが緩くなる。
肉を締めつけて、開放していくというのが、想像がつきませんでしたが、どのような状態になるのか、以後ご紹介していきます。