手術後翌日からの入院生活

午前中に行われた手術直後はまだまだ麻酔がきいている状態で痛みはありませんでした。

しかし、夕方ぐらいになってから手術後の痛みは増すばかりで、夜間は4時間おきに鎮痛剤を飲んでなんとか過ごしました。

今まで体感したことがない痛み

鎮痛剤を飲み、そのあとはうとうと眠れ、その繰り返しで手術後の夜は乗り切ることができました。

私自身、普段、鎮痛剤というものはほとんど飲んだことがないのですが、それが飲まずにはいられないほど痛みを感じていたのでしょう。

今となっては、過ぎてしまったので、大丈夫だったのでしょうが、その時は、必死だったのかと思います。



入院4日目(手術後翌日)おしっこが出ない

鎮痛剤を飲みながら、痛みをちらしながらの夜が明けて、朝を迎えました。

これで、起き上がってもよくなりました。

まずはおしっこをとるための管を外してもらいます。

そして、ゆっくりと起き上がり、看護士さんの支えて頂き、2~3歩歩きます。

ゆっくりとした足取りで、1日ぶりの歩行を一歩一歩かみしめて歩きます。

そして、今日は朝食がありました。

お粥と簡単なおかずですが、1日ぶりの食事で、食べられないかと思っていたのですが、それはすんなりと食べることができました。

人間、お腹が減っていると、痛みで大変でも、何とか食べられるものです。

それと今日から、さっそく座浴の開始です。

座浴は青いプラステック製の洗面器のような容器を便器にとりつけて、お湯を入れて、お尻をつけます。

お湯はトイレの便器のところに、給水口がついていて、そこをひねり、注入します。

そして、座浴トレイには排水口がついていて、口をスライドさせて、そのまま便器に流し込まれるような仕組みとなっています。

この座浴ですが、お尻を温めると、痛みがやわらぎます。

お湯だけで、こんなに痛みがやわらぐんだと感心するほど、あたためることによって効果があります。

痛みのなかの救いの神でした

それでも痛みは、まだまだおさまることはなく、4時間おきに飲む鎮痛剤頼みです。じっとしていても痛い、もちろん歩くと痛いのですが、継続的に痛い状態が続いていると、それが慣れてきていました。

痛みは、当然として、この日はもっと悩まされたものがありました。

悩まされた原因、それはおしっこです。

手術翌日の朝、管は抜いてもらいましたので、あとは自分でトイレに行きおしっこをする必要があります。

水分は十分とっているので、出ないと膀胱におしっこがたまる一方です

でも、トイレに行っても、なかなか出ません。

本当にちょろちょろと少量しか出ません。

午前中はあっという間に経過して、看護士さんにはおしっこが出たかどうか確認され、あまり出ていないことを伝えます。

やはり数回、トイレに行っているのですが、自力ではまだ、ちょろちょろと少量しか出ない状態が続きました。「何でこんなにも出ないんだろう」と嘆かんばかりの、出なさ加減です。

何度か看護士さんに聞かれたのですが、あまり出てないことをお伝えしたところ、エコーをお腹にあてて、膀胱の状態を調べてもらいました。

どうやら、相当おしっこはたまっているようです。

もし、もうしばらくして出ないようだったら、また管を入れることを考えましょうかと言われました。

後から管を入れると痛いと言われていたので、あらかじめ入れていてもらったのに

管を抜いてもらった後悔と、もうどうしても出なかったら仕方がないかなという気持ちの半々でした。

看護士さんからは、少しあたためると出るよとのアドバイスを頂き、トイレで座浴トレイにお湯をいれて、しばらくお尻をつけて、お腹のところにもお湯をつけてあたためます。

1~2分たったでしょうか。

急にじょぼじょぼじょぼと出始めました。

まるで、決壊したダムのごとく大量に出ました。

「良かった~」

おしっこが出て、こんなに嬉しく感じたことは初めてです

ほどなくして、看護士さんが来て、またエコーで確認してもらいました。

「あっ、なくなってますね」

おしっこが出ないということは、こんなに大変なんだ

普段何気なくしていることが、できないことになって初めて、普通にできることがありがたく感じることができました。

手術の翌日は、痛みは相変わらずですが、おしっこはクリアーできました。

まずは第一関門突破です。

入院5日目(手術後2日目)

入院してから、あわただしく過ぎた5日間。

病院の入院生活にもだいぶ慣れてきてはいます。

痛みはあいかわらず変わらない状態です。

さて入院5日目、手術から2日経過しました。

ここで、手術後からつけていた、硬膜外ブロック注射を外していただきました。

刺してあった針を抜いて、外すのは簡単にいきました。

これをつけていても、これほど痛いのだから、もしなかったらいったいどれほど痛いのかは、想像すらつきません。

そして、今日からいよいよ食事がお粥ではなく、普通食になってきました。

痛みとたたかってベッドに横になっている日々

食事が楽しみのひとつになってきていました。

松島病院の食事は本当においしいです

もともと入院自体、あまりしたことがなかったのですが、病院の食事のイメージとは違っていました。

献立からA,Bいずれかは選び、おかずはいずれも豊富で、いつも食事を楽しみにしていました。

入院中で食事をふんだんにとれることは、肛門科ならではですね

また、今日は初めて多少の便通がありました。

術後に一番恐れていたものです。

それは自分でも意識せずにやってきました。

朝食も済ませ、トイレで座浴をしていたところ、お尻やお腹が痛くなり、便座に座った途端にちょうどお通じがありました。

量は少ないですが、やはり痛かったです。

ほんの、親指の先ぐらいの少量で痛かったので、いったいどうなるんだろうかという不安がわいてきました。

この時点の感想としては、自分で自分のお尻はコントロールできていないと感じていました。

また、おしっこが全く出ないことはなかったですが、おしっこをする時は同時にお尻も痛み、スムーズにはできていませんでした。

痛みはまだまだ続いていましたが、入院5日目も無事過ごすことができました。

入院6日目(手術後3日目)

入院生活も6日目を迎えました。

そして、この日からは入浴をすることができます。

座浴もそうですが、お風呂はお尻をあたためてくれます。

このあたためる行為が、痛みをやわらげる特効薬です。

そして5日ぶりのお風呂です。

歩くのも、そうとう痛いです。

普段は気がつきませんでしたが、何か動きをしている時は肛門に力がかかっているのだなという実感がひしひしと痛みとともに分かります。

お風呂は3階の入院フロアーの売店の先にあります。

入り口でバスタオルとハンドタオルを受け取り、お風呂の個室に入ります。

中には、便器もあり、バスタブには空気の泡がでている装置があり、ブクブクとした気泡がマッサージ効果となるようです。

早速、湯船の中に浸かります。

驚くほど、痛みがやわらぎます

こんなにも、お風呂が痛みをやわらげてくれるなんて

まるで苦痛をとりのぞいてくれる、魔法のようです

お風呂で痛みからは解放されましたが、それはお風呂に入っている時のひと時です

この時点では、歩くのも痛い

ベッドで横になって、体制を少し変えただけでも痛い

鎮痛剤は周期的に服用して、何とか保っているような状態です

また用便ですが、座浴を1日に数回するのですが、お尻が温まった状態でしかできたことがありません。それも意識的にではなく、座浴でお尻をつけて温まったら、出てしまうというような感覚です。

それも、軟便剤を服用しているので、柔らかい状態になっているので安心ではあるのですが、おそるおそるのでの用足しとなっています。

座浴のたびにガーゼをとりかえるのが日課です

入院生活には慣れてきましたが、痛みとのつきあいはまだまだ続きそうです。

入院7日目(手術後4日目)

もう入院生活もまるまる一週間経過しました。

病院内の様子も、よく分かり、入院生活もすっかりと慣れてきました。

さぞかし、入院生活は暇で暇でしょうがないだろうと思っていたのですが、実際入院してみると違いました。

食事、座浴、入浴しかないのですが、痛みがひどいので、ベットで寝転んでいるだけでも、時間が早く過ぎていきます。

実際、その時何を考えていたのか、今思い出せないです。

ただ単に、痛みをどうコントロールするか、トイレに行って座浴をしないといけないという意識でいたと思います。

痛みはまだまだありましたが、この時期になってくると、ちょっとテレビを見ようか、ラジオを聴こうかという気持ちがでてきます。

この時点での苦しみは、痛みとトイレ

今振り返ってみると、何とも思えないのですが、その時はやはりつらかったであろう2つの事柄です。

手術後は、痛み、おしっこ、トイレの排便

これを克服することに尽きます

入院8日目(手術後5日目)

手術から5日目となり、手術直後の痛みに比べたら、少しやわらいできたのかなと、自分でも感じました。

それとも、痛さに慣れてきたのかは分かりません。

特にこの日も何もなく、入院生活のルーティンを送っていました。

朝起床して、朝食を食べ、座浴をして、入浴をして、昼食を食べ、テレビを見る、ラジオを聴く、そして夕食、消灯

まだ、鎮痛剤を飲んではいましたが、いつもと変わらぬ入院生活を過ごしていました。

ただひとつ、気になったのは、座浴をして、同時に用をたした時に、ほんの少量の出血がありました。

手術後は、血だらけのT字帯やガーゼをつけていたので、それほど驚くほどではありませんので、あまり気にしていなかったのと、看護士さんは、少量の出血であれば大丈夫ですよとのことでしたので、安心してました。

特に何事もなく、終了した1日でした。

この時点では、これからおこることなど、知る由もありませんでした。



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